今更ながら
僕のカットへの想いを書きます
元々 理容師の修行へ
東京に来て 明けても暮れても
ひたすら勉強の三年間
一番難しいと言われる
角刈りのチャンピオンにもなりました
ほぼ全ての仕事をマスターして
24歳 店長
そこから…… 美容師へ転身
決定的に大切なコトが
身についていない事に気づきました
正解が決められたカタチは
努力の数で
作れても
イメージが何も出て来ない
ムードが作れない
メンズを自分の中ではこっそり封印して
苦手なロングやアレンジを克服するのに
10年以上掛かりました
今は
見れば
いや 感じます
何が必要で必要ないか?
結局 逃げても追いかけてくる
だから 数をこなし
足が震えるような逃げ出したくなる場面でも
必死で向きあって考えたら
自分なりのロジックが生まれ
恐怖は無くなりました
ヘアデザインは有限で
一瞬の儚きカタチです
ただ そのひとに寄り添うように
出過ぎず
離れず
必ず そばにいます
鋏にこだわり
梳かすことにこだわり
指先から
あらゆる五感で
感じます
早く切れる理由は
迷わないから
聞き返さないから
なが〜い
道のりで
少しずつ紐解いた原理です
僕は カットが大好きで
まだまたもっと上手くなりたい
見たことない世界を見て見たい
そして沢山のお客様達の
ハレの日にも
いつもと変わらぬ日常にも
どんなに悲しい時も
変わらず 僕は
大切に
鋏を開き 閉じます
どんな時も其れしか出来ない
僕にしか出来ない僕じゃなきゃ駄目
そんな理容師であり美容師で
在り続けたい。
北原義紀
2016 3.11沢山の祈りを込めて
一日一生